【沖縄の戦争遺跡】エモンズ沈没船ダイビングの見どころ5選

珊瑚礁や透明度の高い青い海で、ダイバーに人気な沖縄。しかし沖縄のダイビングスポットの中には、また別の見どころがあるスポットもあります。それは水中戦争遺跡。エモンズ沈没船は、沖縄の海に眠る戦争遺跡の1つです。戦争遺跡に興味のあるダイバーなら、ぜひ一度は訪れてみるべきスポットです。

この記事では、そんなエモンズ沈没船の見どころと、エモンズ沈没船ダイビングにおすすめのダイビングショップ、ワールドダイビングについて紹介します。

参考サイト エモンズ(USS Emmons)ダイビング・沖縄最大の沈没船

エモンズ沈没船は沖縄最大級の戦争遺跡

エモンズ沈没船(USS Emmons)は、第二次世界大戦における米軍の駆逐艦で、全長106mと、沖縄最大級の沈没船です。エモンズはロッドマン(USS Rodman)とともに航行中、日本の特攻機の標的となります。まず一機がロッドマンを攻撃し、エモンズはロッドマンの援護に当たりましたが、一機の突入によって弾薬庫に引火、大爆発を起こしたことで、船尾付近が炎上しました。

これによってエモンズは修復不能となり、翌日には秘密漏洩を避けるために米軍によって海没処分されます。その後、行方が分からなくなっていましたが、2000年になってから地元の漁師さんの報告によって、沖縄古宇利島の北側の海底に再発見されました。

エモンズ沈没船付近に日本軍の特攻機の痕跡も

日本の特攻隊はエモンズに壊滅的なダメージを与えた一方で、攻撃に当たった多くの特攻機がエモンズに撃墜されました。エモンズ付近では、この時に撃墜されたと思われる飛行機の一部が見つかっています。

沖縄のテクニカルダイビングチーム、Nolimitの調査によって、九十八式直接協同偵察機と、計器盤や固定脚などの形状が一致していたことがわかり、この飛行機は九十八式である可能性が高いそうです。

このような痕跡を出撃記録などとも照らし合わせて、当時突入した飛行隊の調査が行われているなど、歴史的にも重要な遺跡になっています。

エモンズ沈没船に行くならワールドダイビング

エモンズ沈没船を見るには、水深40mほどまで潜る必要があり、これはディープダイビングのスペシャリティが必要になる深さです。さらに、周囲の潮の流れもとても速く、上級レベルのダイビングスキルを持った上で、十分な経験と準備が求められます。

ファンダイビングの際も、なるべく丁寧なサポートをしてくれるショップが安心でしょう。そこでおすすめのダイビングショップがワールドダイビングです。沖縄恩納村にあるダイビングショップで、ファンダイビングは完全少人数制のプライベートスタイルです。

また、ライセンスコースも開催されていて、エモンズ沈没船ダイビングに必要なディープダイビングのスペシャリティやアドバンスウォーターも取得できます。

エモンズ沈没船の見どころ5選

エモンズ沈没船は全長106mと巨大で、さらに水深は40mなので、潜っていられる時間には限りがあります。一度に全てのスポットを見て回れるわけではなく、船首、中央付近、船尾に分けて潜ります。あらかじめ見たいポイントを決めて計画を立てるのがおすすめです。

ここからは、戦争遺跡に興味がある方向けに、エモンズ沈没船ダイビングの見どころを紹介していきます。

①日本軍特攻機

上で紹介した九十八式と考えられる特攻機の一部として、エンジン、プロペア、ランデイングギア、主翼構造材などが残っています。2枚羽根式のプロペラの両側が内側に折れ曲がっていることから、エモンズ突入時に高速で回転していたことが伺えます。

②特攻隊が突撃したと思われる船尾の破損箇所

特攻隊機が突撃したと言われる船尾部分には、破損して内部が見える破損箇所があります。戦艦という巨大な人工物の中で、魚が泳いでいる様子には少し不思議な気分になるでしょう。

③船尾の副砲40mm連装機関砲の崩壊跡

1930年代初頭に、スウェーデンの会社が開発した対空機関砲です。戦時中には日本やアメリカを含む様々な国に輸出され、第二次世界大戦時で最も有名な対空兵器のひとつとして知られています。

その威力は、米軍の艦艇に搭載された対空兵器の中で最も多くの航空機を撃墜したと言われるほどです。

④砲射撃指揮装置

第二次世界大戦で米軍が使用した砲射撃指揮装置(GFCS)で、当時は中心システムの名前からMk.37方位盤と呼ばれていました。駆逐艦の他に、戦艦や空母などの主要艦艇にも搭載され、レーダーが装備された方位盤、コンピューター、安定化装置などによって当時の米軍の非常に速い射撃速度を支えていたと考えられています。

⑤爆雷・魚雷

船尾の架台には爆雷が残っています。頂上部分には信管と雷管が取り付けられている状態です。また、魚雷は全長2m以上という大きさ。砂地にも魚雷が残っています。今も爆発の危険があるので、写真などを撮る際は十分注意しましょう。